シダ刈りについて |
●そもそもの始まり みやじま未来ミーティングで行っている実験 は右図のとおり中心の1m×1mの範囲を除 根(根っこまね取り払い、地面を露出)、その 周囲50cmの範囲を刈り取り(地表のシダを) 刈り取るというもの。 堆積したシダを取り払い、地面に水や風、光 りを当てることで、シダ以外の植物が育成する かどうかを追跡している。 そもそも、緑いっぱいに見えるみやじまの山は シダに覆われているからである。昔の山火事に よって多くの木々が焼失してしまった。焼け野原 になった後、まず芽を出したのがシダのような植 物だ。 通常の環境であれば、年月とともに、木が茂り 、シダの成長を阻害するようになるのだが、みやじまではシダが猛威をふるいシダの上にシダが覆いかぶさるというふうに、シダで覆いつくされてる。 これでは雨も光りも地面には届かない… MMMではH14年から腰細浦海岸の環境回復に努めてきました。 「良い海は良い山から」「良い海岸もまた、良い山があってこそ」ということで、水源慣用林の再生を目的にこの実験がスタートしたのです。 ●立ちふさがる緑と黄色の壁 緑の壁は勿論シダ本体。人の背丈ほどに堆積したシダをかき分け る作業は重労働。当然、他の植物を傷つけるわけには行かない。 上層部をはぐと、下層部は枯れて堆積してるシダが顔を出します。 昔からシダの茎は、カゴなどの民芸品として各地で利用されていまし た。つまり丈夫で長持ちという事・・・。 黄色の壁はシダの胞子・・・ マスクにゴーグルは必需品だと学びま した。 足元が見えないなか、シダに体当たりしながら少しずつ前進です。 ヤッケや雨合羽がある人は作業後にパンパンと払い落とせば良い のですが、フリーズ地の着衣を着ていた方はいったいどうなったのか・・・ ●一定の成果が見えてきた 右の写真はシダ狩りから1年が経過したもの。除根エリアの一部 と刈り取りエリアに新たなシダの成長が見られる。そのほかに近隣 の木々の実が落ちているのが確認できた。このポイントでは発芽は 確認できなかったが、別のポイントでは、シダ以外の植物の育成が 観察できた。 2年目となる今年、残念ながらせっかく芽吹いた植物もサルトリイ バラを除いて姿を消してしまった。 想定している原因は大きく2つ。ひとつは夏の猛暑で水が切れた こと。もうひとつはシカに食べられてしまうこと。 この2年追跡調査でいったんシダを刈れば、一定期間シダの成長を大きく阻害できる事が分かってきた。今度は、芽吹いた植物をどうやって成長させていくかという点を考えて行きたい。 |